お薦め評論文

10代、それも10代半ばまでにどんな評論文を読んだらいいか?

最近の教科書の薄さでは全く話にならないので、私が生徒に個人的にお薦めめしています。

小林 秀雄 と 丸山 眞男(この人は政治学者ですが)

『今の中学生に、この2人の文章は厳しいではないか?』とする向きもありますが、そんな『大人の配慮』は邪魔なだけであって、中学生なら中学生の捉え方がある、と。

背伸びをして難解な文章に挑戦してみる、若い瑞々しい感性だからこそ大人が見逃してしまう何かを捉えることができるのではないか?

基礎的な国語力は必須だとは思いますが、ああでもない、こうでもない、この言葉はどういう意味なんだろう? 辞書引いてみよう、やっぱりわからないけど、何とか前後の文章から想像してみよう。という悪戦苦闘の中から、真に自分で考える『思索』の力が芽生えるのであって、大人側が要らぬ配慮をしている時点で、その可能性を否定してしまうものだと思います。

小さい頃、純文学より評論文の方が私は好きでした。

例えば小林秀雄の評論を読むと、私が読んだことのないフランスの、ドイツの、イギリスの、日本の古典の引用がたくさんあり、『じゃあ この本、難しそうだけど、読んでみよう』という気になりました。

そうやって、どんどん興味の対象を広げていく。

小林秀雄がこう評している○○って人の作品、実際に読んで確かめてみよう。』

評論から文学へという流れ。

『うーん、、、そんなにカエサルって人は凄いのか。ガリア戦記ってやつだな。わー 2千年前の作品だぞ。』



『世の全ての本を読むには、人生はあまりにも短すぎる』

知らないことがたくさんあること、

逆に、それは『知る楽しみがある』ということ。

『先生はおっしゃいました。学びたい時にそれを学ぶ。なんと嬉しいことではないですか。』

本当に素敵な言葉だと思います。