考える、ということ(Part6)
個人的に主要5教科で何が好きかと聞かれれば『社会』と答える私。
世の中の、色んな現象、在り様が関連している教科。
新聞、テレビ、雑誌、書籍、人の話、
目にする耳にする情報が全て活かされる、そんな感じがします。
『こんなの試験に出ない』
そう思った時に、その人の思考の発達はストップしてしまいます。
社会は暗記科目、単純にそう思っている人、多くないですか?
そういう方とは個人的には話が合わないのでお付き合いしたくないのですが。
これほど豊かに生きていくのに助けとなる教科はない、と断言できます。
要するに、点数しか見ていない人。
人間存在というか世の中に対する認識度の低さがが見えてしまい、
正直、げんなりしてしまいます。
君子危うき近寄らず。
そういう方とは別な世界で生きていこうかと。
以前、歴史の授業をしている時、『正長の土一揆』の話に。
そもそも単にテストに『正長の土一揆』と書いて丸をもらうような知識を与える為に、私が来ているのではありません。
点数欲しいなら、他の先生で十分。
はっきり言って、点数だけとりたいなら、私以上の先生はいくらでもいます。
親御さんにはそのあたりを説明、生徒が不満を訴えるようなら、即、教師交代を申し出て下さい、と話をしています。
何のために私が来ているのか、と。
『正長の土一揆』と書いて丸。
これであなたは満足なのですか?
『一揆』そのものを理解していない。
大人に聞いても
『一揆は農民が貴族や武士に反乱を起こすこと。』
これで何がわかるというのか。
私は一揆の説明をする時、その必然性を理解させるところからはじめます。
資料集を用意、
当時の農民、武士、貴族の暮らしぶりを丹念に説明。
特に一番大事なのは食事。
1品、1品、確かめるように説明します。
『見てみろ、この農民の食事。 あわ・汁物、たくあん。これだけだ。
一方、武士や貴族の食事を見てみろ、そもそも品数が違うだろ?
こういう人たちから、飢饉が起きた時、前の年と同じ年貢を納めろ、
と言われたら、君はどんな気持ちになる?』
『すげー ムカつく』
『そうだ、どうだ? 怒りがわいてきただろ』
『腹立ってきました』
『そう、それが人間だ。相手は刀をもっている。でもここでおとしなくしている訳にはいかない。皆で相談して反乱を起こす。それが一揆なんだ』
当時の農民の気持ちと自分の気持ちを重ね合わせ、
共有してこそはじめて一揆が理解したと言えるのです。
『点取り虫はいらない』
毎回のように生徒に繰り返す言葉。
生徒には学ぶことの楽しさ、そして厳しさ、
真理を追究する態度、深く考える力、、、
頭がやわらかい今のうちに見に付けて欲しい、そう思います。