考える、ということ(Part8)

某ブログにて、非常に良い話がありましたので要約しつつ引用。

小学校の先生が生徒に漢字の宿題を出したときのエピソードです。

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さてさて、今日は昔話を一つ。
小学校の先生が子供たちに与える影響がいかに大きいか、
また、知識を与えるだけが、教師の仕事ではないということの例の一つとして感じていただけるとありがたいです。

私の小学校の恩師に、佐藤先生という方がいらっしゃいました。
とても厳しい先生で、ビンタされたことも・・・

その先生の宿題が、とても変わっていたのです。
例えば、「P5−10の新出漢字を自分で工夫して書いてくること」
といったものです。
書いてしまうと、何となく意図が見えますが、口で言われると、

「なんだ、5−10ページか、そんなに多くないな・・・」
とほとんどの生徒が思ったのです。

そして翌日・・・・・・・

ほぼ全員が、ノートを先生に見せました。
全員が5−10ページの新出漢字をノートにちゃんと1回ずつ書き写してあります。
「君たちは、先生の話を聞いていなかったのか!」

「だって、5−10ページの漢字って言ったよなぁ〜」(生徒ほぼ全員声をそろえて)

先生は、そんなページ数なんてどうでも良かった訳です。
「P5−10の新出漢字を自分で工夫して書いてくること」

そうなんです、先生の仰りたかったことは、
「自分で工夫して」というところだったんですね。

全員が立たされ、しばらく説教の時間となりました。
勉強というのは、自分の工夫をすることが大事だということ。
同じ教科書、参考書、問題集を使っていても、成績の良し悪しができてしまうのは、工夫が足りないからだと・・・などなど・・・・・

それから、私たちの佐藤先生に対する「工夫攻撃」が始まったわけですが、

(この工夫攻撃によって、その後の受験人生が変わった生徒が私を含めかなりの数になったと個人的には思っています。)

さて、この佐藤先生を一番感激させた工夫攻撃とはいったいどんなものだったのか。

「今日はみんなの工夫した宿題を見せてもらうよ!」

「私は、漢字を3回ずつ書いてきました!」

「僕は5回!」

「俺なんか10回以上書いてきたもんね〜」 (因みにこれ、私!:笑い)

「私は、次の単元も予習してきました。」

「私は、書き順、と 部首も調べてきました。」

「僕は、漢字を使った文章を書いてきました。」

「みんなすごい頑張ってるね。自分が納得いくまで練習するというのが大事なことなんだね。」

「勉強は教室でする学習とは違う。自分の家で、自分のやり方ですることができる。教科書はあるけど、参考書だって、辞典だってあるでしょ。そういうものをたくさん見たり、読んだりすることもとても大事だと思います。」

「ところで、鈴木さんは・・・1回しか書いてないけど、どんな工夫があるのかな?
 (しばしノートをながめて) ・・・・・ 何も工夫は見えないねぇ〜。」

「私は、消しゴムを1回も使わずに漢字の書き取りをしてきました!」

生徒一同「ばっかじゃねぇの〜。 おめぇは消しゴムがもっちねぇのかよぉ〜・・・」

佐藤先生「それでは、全員、昨日の漢字を消しゴムを使わずに全て書いてみなさい!」

「あっ」
「あれ。」
「いやっ。」
「やべぇ。」

小学生くらいの子供が消しゴムを使わずにそれなりの字数を書くことはとても神経を使うことだということを先生は知っていたのですね。

ですから、ノートに書く前に何回も何回も練習し、漢字を全て覚えていなければ、消しゴムを使わずに書くことは不可能に近いことも・・・

そんなわけで、鈴木さんは一躍クラスのヒーロー、いえいえ、ヒロインになってしまいました。

漢字を消しゴムを使わずに書くこと。
この工夫こそ、佐藤先生をうならせたものだったのです。

提出する漢字の宿題は、1回ずつ。

でもその1回の陰には何回も練習するという目に見えない部分が隠れているということが、佐藤先生には分かっていたのですね。

これからの先生にはやはり先輩の先生方を学ぶということを怠ってはならないと思います。学ぶのは子供たちばかりではなく、親、教師も含めてのことです。

人間は生きている限りいつでも学ぶという姿勢が大切であるということ。

分かっているけど、すきがあれば逃げたいと、ズルしたいと思ってしまう・・・

そんな気持ちに打ち克つよう頑張って「生きたい」ものです!

http://binbooyaji.jugem.jp/?day=20070428

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すばらしい。

本当に、すばらしい。。。

『点取り虫はいらない』

常々、生徒に親に言っている私ですが、

こういう話を聞くと、身が引き締まります。

今日も 明日も あさっても

生徒達に『学ぶ姿勢』を教えるのはどうすればいいか、

考えて行きたい、そう思います。