鬼教師と言われても。

高校時代、野球の話が大好きな国語の先生がいて、私のクラス担任でした。

生徒の方から先生に雑談を勧め、いつも授業は10分程度。

まあ 高校生ですから、勉強は後で自分でやればいい訳ですから(笑)

この先生、出席日数にはものすごく厳しい人でした。

休んだ生徒には必ず電話。風邪で熱が出ようが関係ありません。

『午前中、病院行って午後から来れるようだったら来い』

友人が39度の熱で学校に来た時は、なんて先生だと思いましたが。


私が子供でした。


今、私の担当する生徒には『定期テスト期間中に熱出そうが、吐きそうだろうが、骨折しようが、絶対に学校に行って試験受けて来い。いい点数などとれなくていい。やられてこい!』

と言います。

本番のたった1回の試験、そこに体調不良で臨むことが、いかにリスクが高いか、

身をもって体験できるいい機会なのです。


大人になって、大切なビジネスの商談。

この日の為に、準備すること3年間。会社の色々な人に支えられ、

その交渉役にあなたが選ばれました。

話がまとまれば、この先何年間の安定した利益が確保できる、

そんな大事な契約の日、あなたは40度の熱が出ます。

頭はクラクラ、声も出ない。

そこであなたは休みますか。

私は何があっても商談に向かいます。

途中電車が止まった?

タクシー拾います。

え? タクシー代、会社から出ない?

関係ありません。

その3年間のたくさんの人の思いを、自分の努力を、

あなたの自己管理の不徹底さで無に帰すつもりですか?

異論はあると思いますが、

人間、そう簡単に死にません。


身をもって体験してこそ血となり肉となるのです。


ちなみに今回、私が担当した3年生、学校でいくらインフルエンザが流行っていても、

1人も体調不良で入試試験を受けた生徒はいませんでした。


数年前、その担任の先生はガンでお亡くなりになられたと聞きました。

先生の遺志、ひっそりと私が継がせていただきます。