総理の値打ち

福田和也著 文春文庫

評論家、作家、大学教授とマルチな活動をみせる福田和也

彼が10年以上前に出した本『作家の値打ち』は

日本の文学界に大きな波紋を投げかけました。

(現在、絶版。その内容に各方面から圧力がかかりました)

『言いたい放題書きやがって!』と非難されること多数。

私個人の考えですが、小説や評論、特に小説に関しては

作者の主観オンリーで通してしまっていいのではないかと思います。

強烈な作者の主観こそが、インパクトがあるものが多く、

新たな発見があります。

理系の学術論文ではないのですから。

強烈な作者の主観を読者が客観でとらえる、

そのことが重要ではないのか、と。

それに文句を言うようでは、本質的に思索することを放棄しているのではないか、

厳しく言えば、学問一般に対する冒涜ではないかと思うのです。


話を戻しまして『作家の値打ち』

名のある作家だろうがお構いなしに点数つけてます。

特に厳しい採点を受けたのは船戸与一

断罪です(笑)

といっても何も毒舌オンリーでななく、

根底には暖かい目線を感じます。

高橋源一郎など、酷評しつつも、才能は評価。

彼の場合、才能と仕事が上手く噛み合ってないというか、、、、

数年前、詩人の奥さんから作家の室井佑月(この人、作家というよりタレントですが)に乗り換え、

私生活が大変なコトになってました。

室井との間に子供ができたと思ったら、

即、離婚。

作家の私生活と作品の評価は必ずしもリンクしませんが、、、

室井も高橋の遺伝子をもらいたかっただけなのではないかと

勘ぐってしまう訳ですが。

あ、調べたら親権は高橋だった、、、産み捨てかよ!(笑)

余談ですが、室井は数年前、母親の為に田舎に家を買いました。

私の家の近所です(笑)


そんな訳で、前置きが長くなってしまいました。

『総理の値打ち』ですが、

初代総理大臣 伊藤博文から小泉純一郎までを100点満点で評価してます。

最高得点  伊藤博文 91点
最低得点  羽田 孜 採点不能

作者がなせこの評価をしたのか、考えてみると面白いです。

ちなみに羽田孜首相を評価している文章の一部を抜粋。ニヤニヤしてしまいました。

『細川内閣の組閣直前まで自分が首相になると信じて、外遊に備えて英会話を学んでいた、というエピソードからは人柄の良さが伝わってくるとともに、ダマしてくれる人がいないとその役割もないという寂しさを感じる』


さて、皆さんの評価はいかがでしょうか?



総理の値打ち (文春文庫)

総理の値打ち (文春文庫)